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癒やしの魔法!タクティール®ケアの概要と効果

重ね合わせた手

こんにちはecoです。


現在の社会ではストレスや不安、孤立感といった心身の問題が増加しています。これらの問題への対処法や心身のケアとして有効なのがタクティール®ケアです。

主に認知症ケアとして扱われることが多い手法ですが、現在はターミナル(終末期)における緩和ケアとしても取り入れられています。


こちらの記事では、タクティール®ケアという手法に焦点を当て、その基本概念や歴史、対象者と効果について詳しく紹介しています。さらに、簡単な実践方法や注意点も解説しています。

記事を読むメリット

  • タクティール®ケアについて知識が深まる
  • 具体的な効果やメリットが理解できる
  • 医療、福祉、教育の各分野でどのように活用されているか分かる

私は国家資格を取得後、人の手を治療して15年が経ち、様々な手を診ては癒やし、癒やされてきました。

人の手には誰もが備えている魔法のようなチカラがあります。それは人を癒やすチカラ。

手を当てるだけで気持ちを落ち着かせ、安心感を与えることができます。さらに優しく包み込むように揉めばハンドケアにもなります。

今まで手の触れるチカラについての解説やハンドマッサージのポイントなど解説してきました。是非のぞいてみてください。

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スウェーデン発祥のタクティール®ケアとは?

スウェーデンの地図

タクティール®ケアとは、触れる(タッチ)ことで人体に働きかけることにより、身体的な快感や心理的な安定を提供する手技の一つです。

eco

「タクティリス」というラテン語で「触れる」という意味なのだ

このケアは、触覚の刺激が神経系や内分泌系に影響を与え、リラクゼーションやストレス軽減、自己治癒力の促進などの効果をもたらします。

手技療法の中でも特に触覚、いわゆる触れる(touch)を中心に据えたアプローチです。そのためマッサージのように揉んだり、リフレクソロジーのように反射区やツボなどを刺激したりすることはあまりしません。

触れていることを実感してもらうため、場合によっては少し圧を加えたり、表面の皮膚をほぐすような手法をとることも。

古代からの伝統的な手法:タクティール®ケアの歴史

ペンと紐で縛った本

どのような流れでタクティールケアが誕生したのか簡単に歴史を振り返ってみます。

  • 古代文明において、古代エジプトではマッサージやアロマセラピーが治療やリラクゼーションの手段として重要視されていた。
  • 東洋医学の伝統的な療法やヨガ、アーユルヴェーダでも、タッチを通じた治療が行われていた。
  • 近代的なタクティール®ケアは、20世紀初頭にスウェーデンの医師によって「スウェーデン式マッサージ」として確立された。
  • 看護師の一人が早産児に手で触れることで目覚ましい発育がみられたことにより、タクティールタッチとしてマッサージの手法を開発した。
  • タクティール®ケアはその後、看護、リハビリテーション、心理療法などの分野で広く活用されるようになり、研究と実践の進展により、その効果やメカニズムについての理解が深まっている。

詳しく内容はこちらに記載されていますので是非覗いてみてください。 

SHTAスウェーデンハンドセラピー協会「スウェーデン発祥のマッサージ」

タッチで得られるケアの効果は?

タッチする人と猫

タクティール®ケアの施術により、触れることで起きる2つの生理的現象について解説します。

生理的現象

  • ストレスと不安の軽減:「幸せホルモン」の分泌について
  • 痛みの改善:「ゲートコントロール」という学説について

ストレスと不安を軽減する「幸せホルモン」とは?

手で触れることで皮膚が刺激され、「オキシトシン」という幸せホルモンが脳の視床下部から分泌されます。

この幸せホルモンはなぜ「幸せ」と呼ばれているのか?それは人の心を安定させる効果があるからです。

幸せホルモンは全部で3つ!残りはセロトニンとドーパミンだ!

この「オキシトシン」によってストレスの軽減になっていると研究から明らかになっているのです。また反対にストレスホルモンの一つである「コルチゾール」が低下することで不安や孤独感が緩和する報告もあります。

痛みを改善する「ゲートコントロール説」とは?

「触れる」に加えて「圧刺激」により痛みが改善されるゲートコントロールという学説があります。

痛みの伝達路である脊髄には痛みをコントロールするゲートがあり、門番役の神経細胞がゲートを開いたり閉じたりして調整している

山口創著「手の治癒力:第3章」より引用

この説明だけではわからないので、一つ例を出してみましょう。

「繊細な手の甲をぶつけてしまい、痛みが出たとします。さて、何をしますか?」

反対の手で痛いところを擦ったり、押さえますよね。こうした「触覚」と「圧覚」により痛みが和らぐことを言います。

触覚と圧覚がゲートを閉じることで痛みを和らげるのだ!

生理的現象から得られるケアの効果

「触れる」ことで得られるタクティール®ケアの主な効果と説明は以下のとおりです。

タクティール®ケアの効果

  • ストレス軽減
  • 不安症状の緩和
  • 筋肉の緊張緩和
  • 睡眠の質向上
  • 感情の安定
  • インタラクションの向上
  • 身体認識とアウェアネスの向上
効果説明
ストレス軽減リラクゼーションを促進し、ストレスホルモンの減少に寄与することがあります。
不安症状の緩和不安や緊張感を軽減し、心身のリラックスをもたらすため、不安症状の軽減に寄与することがあります。
筋肉の緊張緩和筋肉の緊張を和らげ、身体の緊張を緩和する助けとなります。
睡眠の質の向上リラクゼーションを促進し、良い睡眠の質を向上させるのに役立つことがあります。
感情の安定感情を安定させ、ストレスや情緒的な不調和に対処する手助けとなります。
インタラクションの向上人との触れ合いを通じてコミュニケーションと信頼を深めるのに役立つことがあります。
身体認識とアウェアネス
の向上
身体の感覚を高め、身体の状態に対するアウェアネスを向上させるのに役立ちます。
タクティール®ケアの効果と説明

これらの効果により、タクティール®ケアはさまざまな健康問題に対処する手段として広く活用されており、特にストレス管理や心身のリラクゼーションに寄与しています。また個々のニーズや状況に応じて、カスタマイズされたセッションを提供し、クライアントの健康と幸福に寄与しています。

認知症に対して有効!効果が得られるBPSDとは?

重ねた手

このタクティール®ケアはもともと認知症高齢者を対象にケアを実施しており、特に行動・心理症状(BPSD)における徘徊・不安・焦燥・意欲低下・せん妄・幻覚・妄想・睡眠障害など様々な症状が有効だと言われています。

研究ではBPSDスコアが改善したという報告があるのだ!

認知症の症状について詳しくみてみよう

認知症の症状には中核症状とBPSDの2つに分けられます。このBPSDは以前までは周辺症状と言われていましたが、現在は行動・心理症状と言われています。

中核症状と具体的な症状

中核症状
記憶障害新しいことが覚えられない、物忘れが激しい
見当識障害日付や場所などが分からなくなる
失語言葉が出ない、言葉の理解ができない
失行物の使い方が分からなくなる
失認どんな物なのか理解できない

行動・心理症状の具体的症状

行動・心理症状
徘徊目的もなく歩き回る
不安強い心配や不安を感じる
焦燥落ち着かず、焦っている
意欲低下やる気が低く、何もする気が起きない
せん妄現実との区別がつかなくなり、混乱する
幻覚実際には存在しないものを見たり聞いたりする
妄想現実と異なる信念や思考を持つ
睡眠障害正常な睡眠パターンを維持できない

タクティール®ケアは誰でもできる?安心して始めるためには?

触れる指と指

「手で触れる」ことで、生理的現象による様々な効果を与えることは誰でも行えます。しかしタクティールケアの実践方法や与える効果は、実施者の専門性と経験によって大きく異なります。

タクティール®ケアの手技にはタッチが基本ですが、対象者の身体状態や好み、目的に応じてマッサージ、振動、圧迫、指圧など選択されることがあります。施術中には、対象者とのコミュニケーションを重視し、対話やフィードバックを受け取ることが重要です。

対象者の個別のニーズに合わせた施術が重要なのだ

施術を行う際のポイント

  • 安定できる環境や快適な施術スペース
  • 適切な姿勢や位置の確保
  • ケアで使用するオイルやローションは、対象者の肌質やアレルギーの有無に配慮して選択

妊娠中や特定の疾患を抱える人々に対しては、医師や専門家の指導の下での実施が重要。感染症予防のために、実施者は適切な手洗いや清潔な環境の維持に努める必要があります。

タクティール®ケアの需要性と活用例:医療・福祉・教育分野から

海辺のベンチに座る老夫婦

現代社会において、ストレスや不安、孤立感といった心身の問題が増加しています。また2025年には5人に1人はが認知症になると言われています。

これらの問題の解決には、人間関係の構築や心のケアが欠かせません。そのため、タクティール®ケアの需要はますます高まっていきます。

高齢化社会の進展に伴い、高齢者へのケアやアプローチが重要視されています。高齢者は、肉体的な健康だけでなく、心のケアも必要とします。

タクティール®ケアは、高齢者のQuality of life:QOL(生活の質)を向上させ、心身の健康をサポートする有効な手法として注目されているのだ。

タクティール®ケアは、医療、福祉、教育の分野で幅広く活用されています。以下は、タクティール®ケアが各分野でどのように活用されているか記載しています。

1.医療分野

  • タクティール®ケアは、リハビリテーション、緩和ケア、ストレス管理などの医療プログラムで使用されています。特に、患者の痛みを軽減し、緊張を解消するのに役立ちます。
  • タクティール®ケアの手法は、患者の快適さを向上させ、回復プロセスを助けるために、看護師やセラピストによって頻繁に採用されています。

2.福祉分野

  • 身体的または精神的な障害を持つ人々に対して、タクティール®ケアは感覚統合療法として提供されています。これにより、感覚刺激を通じて個々のニーズに合わせたサポートが提供されます。
  • 福祉施設やグループホームなどの環境で、タクティール®ケアがリラクゼーションやコミュニケーションの手段として導入されています。

3.教育分野

  • 教育現場では、特に児童や生徒の集中力やリラクゼーションを促進するために、タクティール®ケアが利用されています。
  • 教師や教育者が学習環境でタクティール®ケアを組み込むことにより、生徒の学習体験が向上し、ストレスの軽減に寄与します。

タクティール®ケアの資格について詳しく知りたい方はこちら

→ JSCI 一般社団法人 日本スウェーデン福祉研究所

まとめ

タクティール®ケアの魅力は、「触れる」ことで心地よい感触を提供し、人々の癒しを与えること。タクティール®ケアの資格を取得すれば、あなたもその魔法を他の人々に伝えることができます。

この資格を持つことで、リラクセーションや健康づくりの分野でキャリアを築くチャンスが広がります。タクティール®ケアは、心地よい感触を通じて人々に幸福感をもたらし、あなたにも充実感をもたらします。

この魅力的な分野に挑戦し、タクティールケアの資格取得をぜひ考えてみてください。

記事のまとめ

  • タクティール®ケアは手で「触れる」ことで様々な生理的現象を与え、安心感を提供することで癒やす技術
  • BPSDに対して効果的な研究が多く、超高齢化社会を迎える日本にとっては需要が高まる資格
  • 医療だけでなく、福祉や教育分野など幅広く活用されており、今後のさらなる発展に期待ができる

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  • この記事を書いた人
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ecoさん

国家資格を取得後、人の手を治療して15年。様々な手と出会い、癒やし、癒やされてきました。手の魅力をはじめ、手当ての重要性、ハンドケアやハンドセラピーについての情報を発信中。身体心理学者である山口創さん著の「手の治癒力」が愛読書。

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