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「朝、指がこわばって動かしにくい」
「指の関節が痛くて、ふたが開けにくい」
指は、毎日何千回も曲げたり伸ばしたりしている場所です。だからこそ、少しの変化でも生活に響きます。
わたしは作業療法士として16年、手のリハビリにかかわってきました。この記事では、指を動かしている筋肉の仕組みをやさしく整理したうえで、指が痛い・固まる・つるときに考えられることと、病院へ行く目安をお伝えします。

指の中に筋肉はない
意外に思われるかもしれませんが、指の中には、筋肉の本体がありません。指の中を通っているのは、骨と関節、そして筋肉の力を伝える「腱(けん)」です。
指を動かす筋肉は、2つの場所にあります。
| 場所 | おもな筋肉 | 役割 |
|---|---|---|
| 腕(前腕) | 浅指屈筋・深指屈筋・総指伸筋など | 指を力強く曲げる・伸ばす |
| 手のひらの中 | 骨間筋・虫様筋など | 指を開く・閉じる、細かく動かす |
指を曲げたり伸ばしたりすると、腕の筋肉が動くのがわかります。手のひら側の腕の、ひじと手首の間あたりに反対の手を当てたまま、指をにぎったり開いたりしてみてください。
指を動かす筋肉の名前と働き
指を曲げる筋肉
| 筋肉の名前 | おもな働き |
|---|---|
| 浅指屈筋(せんしくっきん) | 人差し指〜小指の、まん中の関節(第2関節)を曲げる |
| 深指屈筋(しんしくっきん) | 人差し指〜小指の、先の関節(第1関節)まで曲げる |
にぎる強い力は、おもにこの腕の筋肉が生み出しています。
指を伸ばす筋肉
| 筋肉の名前 | おもな働き |
|---|---|
| 総指伸筋(そうししんきん) | 人差し指〜小指をまとめて伸ばす |
| 示指伸筋(じししんきん) | 人差し指を伸ばす(人差し指だけ伸ばすときに働く) |
| 小指伸筋(しょうししんきん) | 小指を伸ばす |
指を開く・閉じる、細かく動かす筋肉
| 筋肉の名前 | おもな働き |
|---|---|
| 背側骨間筋(はいそくこつかんきん) | 指を開く |
| 掌側骨間筋(しょうそくこつかんきん) | 指を閉じる |
| 虫様筋(ちゅうようきん) | 指の付け根を曲げながら、第1・第2関節を伸ばす |
手のひらの中の筋肉や、筋肉を動かす神経は、こちらで図と一緒にくわしく解説しています。
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親指だけは、ほかの指と仕組みが少し違います。親指の筋肉は、こちらにまとめました。
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指が痛いとき
指の痛みには、いろいろな原因があります。ここでは、よく知られているものを紹介します。
※考えられることの一例です。自分で病名を決めつけず、痛みが続くときは整形外科で相談してください。
曲げ伸ばしで引っかかる:ばね指
指の付け根あたりで、曲げ伸ばしのときに引っかかる感じや痛みがある場合です。指を曲げる腱の通り道で炎症が起き、進むと引っかかるようになった状態です。
出典:日本整形外科学会「ばね指(弾発指)」(2026年11月4日確認)
指先の関節が腫れて曲がる:へバーデン結節
指の第1関節(いちばん先の関節)が、赤く腫れたり曲がったりする場合です。日本整形外科学会は、次のように説明しています。
示指から小指にかけて第1関節が赤く腫れたり、曲がったりします。痛みを伴うこともあります。
日本整形外科学会「へバーデン結節」(2026年11月4日確認)
両手の指が腫れて、朝こわばる:関節リウマチ
両手の指の関節が腫れて、とくに朝にこわばる場合は、関節リウマチの可能性もあります。
最初は両方の手や足の指の関節が対称的に腫れて、とくに朝、こわばるようになります。
日本整形外科学会「関節リウマチ」(2026年11月4日確認)
日本整形外科学会によると、関節リウマチはどの年代でも起こりますが、30〜40歳代の女性に多いとされています。早めに治療を始めることが大切な病気なので、思い当たるときは早めに受診してください。
指が固まる・動かしにくいとき
「指が固まる」には、大きく分けて2つの場合があります。
朝だけこわばる
朝起きたときに指がこわばり、動かしているうちに少しずつ楽になる場合です。上で紹介した関節リウマチのほか、使いすぎや年齢による変化でも起きることがあります。
こわばりが毎朝続く、両手の関節が腫れているときは、早めに整形外科やリウマチ科で相談してください。
動かさないことで固くなる:拘縮
病気やけがのあと、指をあまり動かさない日が続くと、関節のまわりが固くなって動く範囲がせまくなることがあります。これを拘縮(こうしゅく)といいます。
介護の現場では、脳卒中のあとの方や、ベッドで過ごす時間が長い高齢の方によく見られます。筋肉のこわばりや拘縮で、にぎったまま開きにくくなった手は、無理に開くと痛みやけがにつながります。
拘縮した手を、安全に開くためのコツは、こちらで解説しています。
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リハビリの現場では、「固まってから戻す」より「固まらないように毎日少し動かす」ほうが、ずっと楽です。ご家族や介護職の方が、手の仕組みを少し知っているだけで、できることが増えます。
介護の現場で、手のケアをきちんと学びたい方は、こちらもどうぞ。
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指がつるとき
指が急にピンと伸びたり曲がったりしたまま、自分で戻せなくなることがあります。いわゆる「指がつる」状態です。使いすぎや、汗をかいたあとの水分不足などで、一時的に起きることがあります。
つったときは、ゆっくりと反対の方向へ伸ばすと楽になることがあります。
ただし、痛みが強い、ゆっくり伸ばしても治まらない・長く続く、何度も繰り返す、しびれや力の入りにくさがある、手以外の場所でもよくつるときは、自己判断せずに医療機関で相談してください。
早めに受診したいサイン
指をやさしく動かすセルフケア
痛みや腫れがないときは、指をやさしく動かしておくと、こわばりを感じにくくなることがあります。作業療法士としてよくお伝えしている方法です。
痛み・腫れ・熱っぽさがあるときは、無理に動かさずに休ませ、続くときは整形外科で相談してください。「痛いけれどがんばって動かす」は、かえって悪くすることがあります。
筋肉をイメージしながらのセルフマッサージは、こちらで紹介しています。
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手の仕組みを活かしたい方へ
指の仕組みを知っておくと、家族や利用者さんの手に触れるとき、どこをどうやさしく扱えばいいかが見えてきます。
手のケアを学べる資格を、目的や初年度の総額で比べたい方は、こちらを使ってみてください。
無料ツール 【てとてコンパス】自分に合う資格を診断 ハンドケア資格18種類を、目的・学び方・初年度の総額で比較できます。3問の診断クイズとレーダーチャートつき。 ツールを開いて診断する →まとめ|指の変化に気づいたら
※この記事は、2026年11月4日時点で日本整形外科学会の情報などを確認してまとめたものです。症状の診断をするものではありません。気になる症状があるときは、医療機関にご相談ください。